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琺瑯製のマグ

1960年代のアメリカ中西部。

夏の間、キャンプしながら羊の番をする労働者が持つ、「琺瑯製のマグカップ」。

表面のガラス質が取れて、本体の鉄が剥き出しになっている。

でも、全く問題ない。むしろ格好良い。

外で使うモノだから、使い方も荒くなるだろう。岩の上に置いて、川の水ですすいで、木の枝に引っ掛けて乾かす。

もし落としたら、石の地面にあたるだろう。

多少傷ついても、このくらいの傷は気にしない。

傷とも思わない。

 

出典:「BROKEBACK MOUNTAIN」